【開催報告】女性の大活躍推進福岡県会議 令和2年度年次大会   ~本会議の締めくくりと新たな時代を創る組織への移行~ 

毎年開催して参りました本会議の年次大会は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、オンラインにて開催いたしました。

当日は、アフターコロナを見据えた「女性の大活躍」の在り方について、最新情報を共有しながら理解を深める場として、熊本県・宮崎県など九州各県、東京都や茨城県等全国各地から200名強の参加者がオンライン上に集いました。7年の活動を振り返り、これから先のNEXTSTEPに向けて、九州エリアのフロントランナーと識者のみなさまからのコメントをいただく貴重な場となりました。

概要

開催日時:令和2年5月30日(土)10:30~12:00  
開催方法:Zoomウェビナーによるオンライン配信

スケジュール

代表挨拶

初のオンライン開催となった本会議は、松尾新吾共同代表の挨拶からスタートいたしました。「自主宣言活動の広がりや女性管理職ネットワークの拡充など、先進的な取り組みを推進してきた本会はこの7年を通じてさまざまな成果を収めることができました。本会議を一旦締めくくり、次のステージへ踏み出してまいります」と方針表明がなされました。

200530松尾代表ご挨拶1

続いて久留百合子共同代表より、これまでの活動総括と、今後の新体制に関する具体的な説明がございました。 
「経済団体が中心となって発足した本会は、7年間で数々の成果を出しております。設立当初、目標に掲げた『企業における女性活躍の促進』が女性活躍推進法の拡充によって達成できた今、本会議を一旦廃止し、新たな時代を創る組織へと移行する旨の表明がなされました。活動が進んだ一方で、本来の意味での『大活躍』に向けて次なる課題が見つかったことも事実です。その解決に向け、『女性の大活躍推進福岡県会議のNEXTSTEPを考える会』を新たに発足し、女性リーダーを育む社会づくりに向け検討を重ねていく」との方針が発表されました。

200530久留代表ご登壇2WE

WE-Net福岡OGアンケート調査結果公表

続いて女性人材部会長 園田理恵氏より、アンケートの調査報告がございました。節目の年にあたりWE-Net修了生1~5期を対象とした本調査では、多数の昇進者を輩出している実績がデータで示されました。その中で、現在活躍するメンバー達ですら「今後も女性活躍推進が必要」と考えていること、「女性活躍というワードが、女性に閉じた取り組みと受け取られるのでは」といった回答・分析結果を公表。WE-Net福岡が7年間でもたらした成果や今後に向けての示唆が報告されました。

200530園田さんご登壇3

【特別企画】フロントランナーと識者による対話セッション

①九州のフロントランナーが語る女性活躍

「マイキャリアストーリーと次世代へのメッセージ」と題し、JR九州リテール(株)取締役常務執行役員 専門店事業本部長兼商品部長 鐘ヶ江 理恵氏がご登壇されました。約23年間、子育てや介護に伴う「仕事とプライベートにおける“両立の危機”」を何度も乗り越えてきたエピソードをご紹介してくださいました。

第1子を出産後、「一度戻ってきたら」という上司の言葉で仕事復帰した鐘ヶ江氏は、税務を担当。周りから相談されることで「仕事へのやりがい」を初めて感じます。出向先で幅広い属性(年齢や雇用形態がさまざま)の中で働く中、年配男性の女性に対する意識の歪みに苦しみ、ポジションの限界を感じるなど苦しい4年間もありました。そして第2子出産後に配属された経営企画部では新しい分野で働くことに大きなやりがいを感じることとなります。「やりがいを感じると、仕事も育児も頑張れる」「管理職に登用されたということよりも、頑張りを認めてくれる人がいた」といった喜びが生まれたのです。

「管理職になり、判断する楽しさを知りました。ポジションが上がることに関して、まだまだ躊躇・遠慮する女性が多いのも事実。ただそれによって見えることが多く、やれることも増えます。一歩一歩着実に、チャレンジする気持ちを持って」と語る鐘ヶ江氏は、後輩がもっと働きやすく、実力を発揮できる会社にするのが自分の役割だと話します。部下に仕事を任せてチームで業務を推進することは、部下との信頼関係構築にも繋がり、コロナ禍でのテレワークもスムーズに遂行できたそうです。プライベートの変化に合わせ、柔軟に働き方を変化させてきた鐘ヶ江氏は現在“地域を元気にできる”小売事業をご担当。

「仕事が一番楽しいのは、今です」と語るはつらつとした表情は、これから管理職を目指す女性たちへのエールとなり、大きな共感を呼んでおりました!

200530ゲスト鐘ヶ江様1アップ

続いて「私が女性を登用する理由と次世代経営者へのメッセージ」と題し、(株)西部技研 代表取締役 隈 扶三郎氏がご登壇されました。

同社の女性活躍推進の背景には、前社長(隈氏の母。当時社長であった父の他界を機に5年間会社を率いる)時代から「女性も活躍できる会社にしたい」との強い想いがあったと言います。なぜ女性が育たないかを考えた時「制度はあるものの、やりがいのある仕事がない」という答えに行き着き、男性中心であった企業文化の変革を始めます。その後、女性のキャリアアップに向けた学び、働き方を見直す各種制度の拡充を通じて「女性も男性も働きやすい職場の実現」を目指した結果、数多くの実績が出てきました。

女性の昇進・登用の増加はもちろんのこと、特筆すべきは新卒入社が男女ほぼ同等という事実。男性エンジニアは大企業志向が強い一方で、地元に残り活躍したいという女性技術者のニーズを充足した成果と言えます。2018年には企業主導型保育施設を開園し、社員福利厚生のさらなる充実や新規採用機会の向上を図る同社は、新たな職場環境の創出を継続。今後も同規模企業の中で圧倒的なダイバーシティ推進を目指すという隈氏は「いろいろな方の意見を尊重しつつ、チームの多様性を確保することが成長のキーとなる」というメッセージで締めくくられました。

200530ゲスト隈様1アップ

その後、(株)サイズラーニング 代表取締役 高見真智子氏をファシリテーターに、「今後会社と私たちのような団体は何をすべきか」について意見が交わされました。

「女性の頑張りに対して、評価とポジションが一致していないように感じる(鐘ヶ江氏)」「男性の考え方を如何に変えていくかが大切。男性に対するマインドセットが重要になってくる(隈氏)」とのご意見を受け、高見ファシリテーターが「女性が頑張っている事実はあるものの、それが際立たないという現実はある。今後、私たち団体が取り組む課題として受け止めたい」と結びました。

200530九州フロントランナーセッション風景

②女性活躍の第一線で活躍する識者によるリレーメッセージ

「九州の次なる活動への助言と期待」をテーマに、3名の識者がオンライン・録画放送にてご登壇いただきました。白河桃子氏(昭和女子大学客員教授/少子化ジャーナリスト/作家)、大崎麻子氏(ジェンダー・スペシャリスト)、安藤哲也氏(NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事)という豪華な顔ぶれに、登壇中もオンライン上でコメントが行きかっていました。

白河氏のテーマは「働き方のパラダイムシフトと女性リーダー」。「働き方改革は暮らし方改革」という言葉に表されるように、多様な人材の活躍には「働き方」の多様化が必須というお話がございました(白河氏はこれを『多様な働き方のない多様性なんて絵に描いた餅』というワードで表現)。コロナ禍におけるさまざまな対応を受けて多様化する流れを活かし、多様な人材活躍を継続して推進するために「女性のリーダーを増やそう!」という提言がなされました。そのためには①特定職を女性に②会議やシンポジウムの男女比は5:5がグローバルスタンダード③アンステレオタイプの促進が重要と言うメッセージで締めくくられました。また、『アンステレオタイプアライアンス日本支部』のアドバイザーに就任されたとのご報告もございました。

200530ゲスト白河様1トップ

次に大崎氏より、「“女性活躍”の次のステップは? ~グローバル視点から考える」をテーマに直近の世界の動き・日本の動きについてご説明がありました。国際潮流のキーワードは「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント」、これこそが女性活躍の土台となる必須条件です。日本のダイバーシティ経営の課題は「ジェンダー平等の推進」であるとのお話の後、30% Club(※)についてのご紹介もいただきました。「世界の働く女性たちも、私たちと同じ課題に直面している。世界の女性たちが連帯し、課題や成功事例を持ち寄り、“構造”自体を変えることに一緒に取り組んでいきましょう」という力強いメッセージで締めくくられました。

(※)30% Clubは2010年に英国で創設された、取締役会を含む企業の重要意思決定機関に占める女性割合の向上を目的とした世界的キャンペーン。14ヵ国で展開されており展開国の数は増え続けている。参照レポートは下記。 
https://30percentclub.org/assets/uploads/japan_30__Club_Japan_corona_public_statement_v1.0_20200525.pdf

200530ゲスト大崎様1トップ

最後に、安藤氏がご登壇されました(事前録画)。さらなる女性活躍において欠かせないのは「①家庭における男性の家事・育児への参加」 「②会社におけるイクボス(組織の中で社員のワークライフバランスを配慮できる上司)の育成」だと言い切ります。同団体はこれまでもこの二軸を中心に男性の育児支援を展開してきましたが、今後もすそ野を広げる活動を継続してまいります。「「男性が当たり前に育休取得をし、それができなくてもワークライフバランスを整えることが女性活躍には必須条件。これがひいては企業の持続発展、家庭安定、社会安定に繋がる」という強いメッセージをもって締めくくられました。

当日オンラインご参加の皆様からは「現ポジションで実現不可なことに対して自身の存在意義や葛藤を抱える日々の中、鐘ヶ江氏のお話で考えが開けた」「隈氏のパートという立場で活躍するというのはどういった内容ですか?」といった、登壇者への率直な感想やご質問、チャット上でのやりとりも活発に行われました。また、本会議の立ち上げメンバーでもある松田美幸氏(福津市副市長)から「皆様のこれまでの道のり、着実に実りを結んでおりますこと、今日改めて感動いたしました。今後とも一緒に頑張っていきましょう」といったエールも届きました。

コロナ禍での年次大会は、初めてのオンライン開催となりましたが、リアルでないが故にたくさんの方々にご登壇、ご参加やエールを頂けるまたとないひと時となりました。

200530ゲスト白河様大崎様ご登壇ラスト

この先の更なる女性活躍推進に向けて、どうぞ今後ともご支援、ご参画の程宜しくお願い申し上げます。

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