昭和60年 九州大学法学部卒
昭和60年 株式会社福岡銀行入行
平成18年 人事部 副部長
平成20年 総務広報部 副部長
平成23年 経営管理部 副部長
平成24年 総合企画部 部長(部付)
平成27年 執行役員 営業推進部長委嘱
平成28年 執行役員 営業戦略部長兼
FC推進部長委嘱
平成29年 常務執行役員(現職)
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ執行役員(現職)
社名/株式会社福岡銀行
住所/福岡市中央区大手門一丁目8番3号
代表電話/092-723-2601
URL/https://www.fukuokabank.co.jp/
業種/金融・保険業
職員数/全体3490名
うち女性1423名
男女比59.2%:40.8%
女性管理職の人数/98名
管理職に占める女性の割合/8.6%
自主宣言日/平成26年1月9日
宣言内容/平成29年度
(平成30年3月末まで)に女性管理職を110名以上とすることを目指します。
※掲載情報は、2017年8月現在のものです。
地方の人口減少やフィンテック(IT技術を活用した新たな金融サービス)の台頭など、近年、銀行の経営環境が大きく変化している。既存の金融機関でも、新たなビジネスを構築する動きが顕著になってきており、それは、福岡市に本店を置く福岡銀行も例外ではない。
「これまでは単一型の人事制度でやってきました。具体的には、採用・育成・評価・処遇は、全社員に共通したプラットフォームでの運用です。しかし、経営環境が大きく変化する中、銀行にも多面的なビジネス感覚や業務へのアプローチが求められています。」と、同行常務執行役員の五島久さんは話す。つまり、ダイバーシティの考え方が大事であり、その一つとして、女性の活躍推進が必要なのである。
平成25年に、グループ銀行(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)の女性行員17名による女性活躍推進プロジェクト「ふわり」が発足。メンバーが各地域の営業店に出向いて意見交換会を開催し、女性活躍推進に向けた取組み姿勢を全行員に周知するとともに、現場の声を拾い上げるという草の根的な活動を展開してきた。そして、ここで集められた意見を具体的な施策として打ち出しているのが、平成27年設置された「ダイバーシティ推進室」である。「女性のための融資勉強会」や「イクボスセミナー」の開催、行員夫婦が転勤に帯同できる「パートナー帯同制度」、「復職支援プログラム」……どれも行員一人ひとりの声が反映されたものである。
そのねらいを五島常務はこう話す。「家計を握っているのは女性の方が多いですし、銀行のお客様の半分以上は女性です。ですから、本来女性が活躍するべき会社であり、女性の支店長など管理職を増やしたいという思いは、以前から経営陣にありました。そこで、具体的な施策をもっとスピードアップして行っていこうというのが、『ふわり』であり、『ダイバーシティ推進室』です。」
平成25年には22名いた出産や育児を理由とする退職者数が、平成28年度は14名に減少。近年は第一子のみならず、第二子以降の産休取得者も増えてきた。さらに、時短勤務を早期に切り上げてフルタイムに復帰する女性も年々増加している。こうした傾向が今後定着していくのか、データの推移を注意深く見守っていく必要はあるが、子育て期の女性が安心して働ける職場環境づくりに加え、キャリアに対する意識向上が進んだ成果と言えるだろう。
もちろん、ワークライフバランスは女性に限った話ではない。同社では、行員の働き方の見直しにも着手、社員の生産性向上とプライベートの充実の両面から取組を進めている。全社的な最終退社時刻の設定、業務の削減、営業活動・事務の効率化、自己啓発の促進など、「単なる時間外労働削減対策にならないよう」(五島常務)全社的な活動を展開している。「以前は、この本社ビルでも夜遅くまで社員が働いていましたが、今は遅くとも20時には消灯しています。社員からも『早帰りのおかげで、翌朝がすっきりして仕事もはかどるようになった』という声も聞かれます。今後は、もっと早く帰れるよう工夫を重ねて、社員一人ひとりが仕事を含めて自分の生活を豊かなものにしてほしいですね。」と五島常務。自らも趣味のバンド活動を楽しみたいと話す。
銀行のビジネスも大きく変わりつつある。これまでの預金・融資の「利ざや」を中心としたビジネスは昨今の低金利の中厳しさを増しており、投資信託・保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)の取扱い、またフィンテック分野におけるデジタル技術を活用した新サービスの開発など、新たなビジネスに進出する動きが活発である。特に、このところ銀行で力を入れている資産運用関連サービスに女性の活躍が著しい。同行でも顧客の資産管理をアドバイスするFC(ファイナンシャルコンサルタント)の活躍がますます重視されている。同行では、568名いるFCのうち、7割が女性だという(平成29年8月現在)。
「家のことを幅広く知っているのは、やはり女性なんです。お客様といろんな話をして、潜在的なニーズを引き出すこともできる。適材適所の配置は能力次第。男女関係ないとは言っても、生活者としての視点という面においては、女性が秀でていると思います。」
さらに、主な融資先である中小企業のオーナーのニーズも変わってきているという。以前は会社の設備資金や運転資金を借りることがニーズの大半であったが、今は自分の事業や資産をどう次に引き継ぐかといったことも重要なテーマになっているのだ。そうなると、融資だけではなく、相続や資産管理全体を分かっていて、臨機応変に様々なサービスを提案するというスキルが必要になる。
「これまで法人融資は男性行員が担当することが多かったのですが、主に女性行員が担当してきた資産管理や相続のノウハウが今は求められているのです。彼女たちが業務の中で培ってきた柔軟な対応力、きめ細かなコミュニケーション力がさらに求められる時代になってきたと感じています。」
今年8月、福岡銀行では、同行の女性行員と地場企業で働く女性との異業種交流会を企画した。女性同士で交流することで、自分のキャリアを見つめ、仕事の幅を広げてほしいと五島常務は考えている。
「異業種と言っても銀行から見たら皆様エンドユーザーですから、直接的ご意見もいただけますし、交流の場を設けることで地域活性化にも貢献できるのではと思います。」
五島常務自身も異業種の人たちと交流することを常に心がけているという。その理由についてこう語る。「多様な人材を積極的に活用することが基本的なダイバーシティの考え方ですが、社外(異業種)の人たちとの交流で『世の中にはいろんな考え方がある』ことを知りそれを認めること、つまり自分の頭の中で多様性を認めることも、ダイバーシティを進める上で大事なことだと思います。」
今、金融機関には「フィデューシャリー・デューティ(お客さま本位の業務運営)」が求められている。そのためには、様々なお客さまの声にしっかりと耳を傾け、共感することが第一歩だ。「世の中の動き、これからの銀行のあり方を考えると、最終的にはダイバーシティの考え方に行き着くのです」(五島常務)。地域の金融インフラを担う福岡銀行。その役割は今後さらに重要性を増すと考えられる。「地域経済発展への貢献のためにも、企業として成長し続ける」という高い志で改革を進めている。
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