福津市総合政策部/吉田 雅子さん

吉田雅子さん (53)
広報秘書課長兼国際交流係長

入庁年 1981年
現職就任時期 2013年4月
2人の子どもを育てあげ、東京出張や残業もこなす。市長のスケジュール管理や広報誌制作のサポートなど、その仕事内容は多岐にわたる。

企業データ

福津市役所

住所/
福間庁舎 福岡県福津市中央1-1-1  
電話:0940-42-1111

津屋崎庁舎 福岡県福津市津屋崎1-7-1  
電話:0940-52-1234

URL/http://www.city.fukutsu.lg.jp/

職員数/311名

男女比/56.3%:43.7%

(男性175名 女性136名)

女性管理職の人数/4名

管理職の男女比率/90.2%:9.8%

実を結ぶ時がきっとくるから、コツコツと着実に。

推進委員研修①

二足のわらじで、日々まい進

福岡県内の自治体のなかでも、いち早く男女共同参画室を立ち上げ、取り組みを行ってきた福津市役所。ここには3つの係を持つ部署で、それぞれの部下を束ねる管理職がいる。今年で勤続34年目を迎える、広報秘書課長兼国際交流係長の吉田雅子さんだ。

約5年毎に、職務内容もまったく違う部署に異動するのが通例。吉田さんも例に違わず様々な課を経験してきたが、特に現在の市長秘書の仕事は自身の立ち位置を考えつつ、人と人との間で動く難しい仕事だという。判断力や折衝力、コミュニケーション力も要求されるこの部署の福津市初の女性広報秘書課長。抜擢した総合政策部長・荻原さん曰く「能力や人柄すべてを見ても彼女しかいないと思った」。

 

思いを発信して職場を変える

吉田さんは一方で、福津市役所を男女の別なく働ける環境へと変えていったメンバーの一人でもある。というのも、20数年前までは、上司の言葉が常に聞こえる場所で仕事をこなす男性職員と、市民の窓口業務に追われる女性職員。男女の職域は分けられ、会議も男性のみで行うことが当たり前だった。そんな環境が変化したのは1993年、今は亡きある男性係長の「女性フォーラム」発足の提案からだった。彼女を含め、20~40代の世代別に女性職員を7名集め「今自分たちが置かれている環境で、おかしいと思うことはないですか?」と彼は聞いた。「どうして私たち女性だけが、お茶くみやたばこの吸い殻まで片づけなければならないの?」。言いたいことは山ほどあったが、男女の職域や業務内容に差があった時代。まずは、女性たちが胸に秘めていた疑問や意見を発信して、意識を変えていくことから始めた。

「フォーラム新聞を作って、メンバーが交代で意見コラムを書きました。批判もありましたが、『職員みんなにわたしたち女性の声を聞いてほしい』という思いで発信し続けたんです」。湯呑み・コーヒーカップと1人2個もあったのを1つに減らし、ゴミ捨ても当番制にして“女性だけ”が行っていた雑務を少しずつなくしていった。そして1995年には、男女関係なく仕事に邁進し、子育てしながら働けるよう提言書(女性フォーラム報告書)を当時の町長に提出。「福津市役所は、トップダウンではなく現場の職員たちから変わっていったんです。声を上げてくれた当時の係長に、今の福津市役所の姿を見てもらいたかったですね」。

 

勤め続けることの大変さ、大切さ

育児休業制度がなかった時代から、子育てしながら働き続けてきた吉田さん。出産後2カ月で復帰し、午前・午後で30分ずつ許された育児時間に、保育所に行き授乳する毎日だったという。「義父母のサポートや、子育てしながら働くことを理解し応援してくれる職場であったことに感謝。制度を整えるのも大事ですが、気持ちよく働き続けられるかは周囲の理解の方がずっと大きいんですよね」。そんな周囲の温かさに触れたからこそ、「いい仕事をしてこたえよう」と思えるのだという。

「時代によってそれぞれの苦労がありますが、そんな中でがんばってきた女性たちの体験を後に続く人たちに伝える場が必要だと、最近考えるようになりました。勤め続けることで、見えてくるものや得られる成長がきっとあると思うから」。

企業へのインタビュー

[Q]福津市における女性管理職の登用について、どのようにお考えですか?

[A] 女性管理職が徐々に増えてきて、職場の雰囲気も明るくなったと感じます。若手職員の指導・育成の仕方も女性ならではの温かさがありますね。現在は、次期管理職候補の主幹クラスの職員23名のうち、5名が女性です。2016年までには女性管理職比率を、2012年の7.5%から15%以上に引き上げる目標を掲げていますので、この女性たちが育っていってくれることに期待しています。

[Q]女性の活躍を推進するための方策をとっていますか?

[A] 方策の1つとして挙げられるのは、有志の女性職員約10名からなる「自主研修グループ」。日々の職務から気づいた事務的な改善箇所や業務効率アップのための要望などを持ち寄り、市長とディスカッションを行いました。子育て支援にも力を入れ、現場の主張に積極的に耳を傾けてくれるトップだからこそ、なせることなのかもしれません。

[Q]女性を管理職に登用する上で、課題があるとしたら何ですか?

[A] 20数年前までは、管理職になるための教育の機会がなかったため、管理職登用後に職務遂行の難しさを感じて退職する女性職員もいました。そういった意味では、男女に限らず、管理職登用前の教育と登用後のフォローでしょうか。

[Q]その対策はどうされていますか?

[A] 管理職のための研修・教育の機会を設け、フォローする体制を整えました。また、現在はロールモデルとなる女性管理職が身近にいることで、吉田さんの世代以降の職員たちもイメージが掴みやすいようです。

[Q]全職員が働きやすい環境や仕組みについて、どのようにお考えですか?

[A] 行政の仕事は、課の雰囲気も大切。そのため、男女の区別なく、一人ひとりが能力を発揮できる環境づくりを、男女共同参画室を中心に今後も継続して行っていきたいと考えています。

担当者からの一言コメント

一人ひとりが能力を発揮できる環境であるのはもちろんですが、互いに補い合うことも大切。不満を抱えたまま働くのではなく、より働きやすい職場にするために自ら声をあげ行動する。それが、職場を変える近道だと思います。

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